「わざわざ信州まで出向いて参詣・結縁しようという
者もいるのに、如来さまの方から江戸の人々と
結縁するために江戸に出てきてくださる……」
江戸時代、回向院における善光寺出開帳を呼びかけた
瓦版に書かれた内容です。
4/27~5/19日にわたって行われている
善光寺出開帳へ参詣してきました。
前々から興味のあった「善光寺」の
出開帳ということもありましたが、
この出開帳では、東日本大震災で被災された方々の
ご供養と復興が目的であり、収益のすべてを
全額被災地支援に充てるということも
今回、お参りに行きたいと思った動機でした。
回向院へ行く前に、
「復興記念館」のある横綱町公園に寄りました。
この施設は、
「関東大震災の惨禍を永く後世に伝え、また
官民協力して焦土と化した東京を復興させた
当時の大事業を永久に記念するため、
東京都慰霊堂の付帯施設として建てられた」
建物ということです。
中には入りませんでしたが、
慰霊堂の前で手を合わせました。
公園では子供たちが無邪気に遊ぶ姿、
かたや、被災した子供たちの
「震災遭難児童弔魂像」があり。
時の逞しさを感じ、また、
平和しか知らない自分に恐怖を感じながら
とにかく祈りを捧げたく回向院へと急ぎました。
拝観料1000円 +お戒壇巡り500円のチケットを購入しいざ回向院へ。
まず本堂前に立てられた「回向柱」。
この柱に触れることで、御仏さまの右の御手と結ばれ
ご利益があるといわれます。
この柱は陸前高田の杉が用いられています。
その後、出開帳仏、被災地からいらっしゃった菩薩像、
善光寺の文化財、浮世絵……と様々な展示を
拝観しましたが、感動したのは
菩薩像の背面の襖に描かれた
千住博さんの「浄土の滝」です。
明るい青に白い滝が飛沫をたて流れる様、
いつまでも見ていたくなるような、
心がすっとする、美しく素晴らしい襖絵でした。
そして今回ぜひお会いしたかった「びんずる尊者像」。
撫仏と言われ、身体の悪いところと同じところを触れ、
また自分の患部を触るとご利益があるというもの。
これまでのシリアスな感情と裏腹に
いっぱい触ってきてしまいました!
頒布されている「復幸支縁しゃもじ」で触れ、
そのしゃもじでご飯をよそると、
自分以外の人にもご利益が伝わるとのことで
しゃもじもいただいて参りました。
最後に「お戒壇巡り」を体験。
真っ暗闇の回廊を進み、「極楽の錠前」に触れることで
極楽浄土が叶うとされるものです。
随所でお坊さんの説明を伺いながら、
約1時間程ゆっくりまわりましたが、
他にも講演会、法話会、コンサート、演劇 等
様々な催しがあります。
また、両国駅前には「両国長屋ストリート」なる
物産展も行われ盛りだくさんなイベントです。
戦後初の回向院での善光寺出開帳。
ぜひお参りに行かれることをオススメします!
Reported by まや