2010/08/21

沖縄の神社、波上宮(なみのうえぐう)

今年の夏の全国高校野球は沖縄の興南高校が春に続いて連覇しましたね。
おめでとうございます!



















ということで、おまいり日和スタッフも沖縄の神社、
波上宮(なみのうえぐう)にいきましたのでレポートします。
崖の上に鎮座する社殿



































波上宮は那覇空港から車で約15分、市の中心、那覇港を望む
崖の上に鎮座しています。

崖の下は「波の上ビーチ」という公営ビーチがあり、
夏でしたので地元の市民も海水浴を楽しんでいました。

琉球王国時代の首里城の朝拝御規式(ちょうはいおきしき)



















江戸時代(実際は明治12年)まで沖縄は琉球王国と呼ばれて、
独自の琉球文化を築いてきました。

中国と日本の中間に位置する沖縄は、古来より建造物も言語も
双方の影響を深く受けました。

波上宮・拝殿



















琉球王国の王府が特別の扱いをしていた神社は8つあり、
その一つが波上宮でした。波上宮は熊野信仰の系列になります。

波上宮・社務所


















波上宮・手水舎




















境内建物の外観は赤瓦や白い壁で沖縄独特の色彩建造物です。

拝殿前の狛犬



















拝殿の前に対で狛犬が置かれています。
狛犬の伝来は中国の唐時代の獅子(しし)が朝鮮半島を経て伝わったとされています。
獅子を沖縄の方言で発音すると「シーサー」と発音します。

シーサーは、沖縄では魔よけとして建物の門や屋根の上に配置し、悪霊がもたらす
あらゆる災害ににらみをきかせる守り神として深く信仰されてきました。

沖縄の人々と話すと、死生観の違いを感じました。
たとえば、お墓はオバケでる怖いところというのが一般的な感覚ですが、
沖縄の人々にはそのように思っていないようです。
どちらかというとハブ(毒蛇)と出くわす方が怖いそうです!

また、お葬式の「清め塩」といえば葬式から帰ったら塩をふるイメージが
ありますが、沖縄ではお塩を「マース」と呼び、今でもお守りとして持ち歩く
風習があるようです。古来からお塩は浄化や邪気を払うために使われて
いたそうです。

微妙に違う信仰心。
沖縄古来の信仰(琉球神道)は、仏像などの偶像崇拝はせず、聖なる森
「ウタキ(御嶽)」を礼拝所としてきました。

ガジュマルの木




























ウタキには南島ならではのガジュマルやクバの木が茂っています。
波上宮も「端城(ハナグスク)」と呼ばれたウタキだったそうです。

その聖域で神官役として祭りを司るのは伝統的に霊力の強い女性
であり、「ノロ」と呼ばれていました。邪馬台国の卑弥呼がいたように、
古来日本は女性が司祭者でした。

その信仰文化が江戸時代まで沖縄に残っていたんですね。


琉球時代の信仰をポイントでまとめると、、、、

● 本土の日本神道と似た祖霊信仰(祖先崇拝)
● 太陽神を最高神としている→神道の天照大神、仏教の大日如来と同じですね
● 遠い海の彼方の理想郷から神が訪れ、幸福をもたらす伝説「ニライカイ信仰」
ヒトの魂はニカライより来て、死んでそこへ帰り、集落の守護神となる。
● 礼拝所はウタキ(御嶽)と呼ばれる聖なる森で、女性の司祭者(ノロ)のみが
入ることが許された(男子禁制だった!)

太平洋戦争の沖縄戦によって多くのウタキが破壊されてしまいました。

それでも琉球信仰は沖縄の人々の生活の中に生き残っています。

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