2010/09/08

山に祈ってきた日本人-日本の森林が買われていく

先週、神奈川県で神社の記念式典に参加して国際日本文化研究センターの
安田喜憲氏教授の講演を聴く機会があった。

講演は「日本を守り受け継ぐ」というテーマで、安田教授によると、私たちが
日本人である所以が、豊かな日本国土の自然に対して祈り、守ってきたからだという。

そもそも日本人は世界のどの民族よりもDNAのバリエーションが多い民族で
あるため、ユダヤ民族のように血で結ばれた民族ではないという。

私たちが山や川など美しい日本列島に住み、日本食を食べ、日本語を話すから
こそ、日本人としてのアイデンティティがあるとのこと。

日本人は古来より山を崇拝してきたのは、山が稲作に必要な水の供給源だったから
である。山に対して感謝の気持ちで祈ってきたのだ。

その水資源の山が外国資本によって買い占めが起きているという。
問題はいまの日本の土地制度では、一度買い占めれば所有者の権利が
とてつもなく強いことである。

安田教授は豊かな自然の国土を失ったら日本民族は消滅すると警告する。 
とても衝撃的な講演内容でした。

参考までに安田教授の講演内容は書籍になっている。























そして本日、NHKクローズアップ現代で「日本の森林が買われていく」が
放送された。日本の森林が外国資本の投資マネーの受け皿になっているという。
公共性の高い森林や水資源を保護する必要性や背景となった政府の構造改革、
林業不振の問題などが報道された。

クローズアップ現代「日本の森林が買われていく」 (2010年9月7日放送)




















神社が植樹活動をしたり、「鎮守の森」を守ってきたことはのは言うまでもない。
山を失うということは、資源だけでなく祈りの対象を失うということである。

国の力による法改正も必要であるが、私たち自身も安心して暮らせる社会を
築くために実体を理解し、身近にある鎮守の森を大切にしていきたい。

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